相続とは?
(引用:「デジタル大辞泉」)
- 家督・地位などを受け継ぐこと。跡目を継ぐこと。「宗家を―する」
- 法律で、人が死亡した場合に、その者と一定の親族関係にある者が財産上の権利・義務を承継すること。現行民法では財産相続だけを認め、共同相続を原則とする。
一般的に、人が亡くなったときに、その方の配偶者やお子さまなどが遺産(マイナスの財産も含む)を引継ぐこと。遺産は財産などの様々な権利・義務のことを言います。
相続という言葉は「相い続く(あいつづく)」と書きます。代々受け継がれていくもので、とても美しい言葉です。
親の相続が終われば、次は自分の番。新しい相続の準備が始まります。終わらないものだからこそ、心をこめて、長いお付き合いができることを願っています。
相続は金額が大きければもめるということではありません。
金額が小さくてももめる場合があります。
相続問題でお困りの方々と会ってみると、「相続に関わる金額が多いほど争いになる」というものが一般的な思い込みであるいうことがよくわかります。
実際は、一般常識とは異なり「金額が小さいご家庭ほどトラブルになりやすい」といえます。
「『司法統計年報』2010年」によると、家庭裁判所に持ち込まれる相続の問題のうち、
という統計結果が出ています。 データが示しているように、
財産があまりないご家庭の方が相続の問題でお悩みを抱えています。
その理由としては、
- 分けるものがあまりない(財産が自宅だけの場合など)、もしくは分けにくい
- もらえるものは少しでも多くもらいたいと考える
などが考えられます。
相続争いは心の問題であり、金額の問題ではない、と言えるのかもしれません。
相続問題は、元々仲が悪かったというご家庭にだけ起こるものではありません。
- 先妻やその子どもなど、相続が発生した途端に、態度を急変させる相続人が出てくる
- 兄弟姉妹はみんな、仲が良いと思っていたのに、親の相続によって箍(たが)が外れ、実際はそうではないことが判明する
- 相続手続きの進め方などが原因でケンカになる
- 当事者兄弟同士は仲が良くても、その奥様や旦那さまなど周囲の意見が入りこじれる
などという問題が起こることが、相続の場面では珍しくありません。
相続が争続問題に発展してしまうと、家族関係を壊すこともあります。
お子様やお孫さんに心の傷を負わせてしまう危険性もあります。
なんとか争わないように事前に対策を考えておくことを強くおすすめします。
三方一両損の考え方
落語のネタに三方一両損というものがあります。
「左官金太郎が3両拾い、落とし主の吉五郎に届けるが、吉五郎はいったん落とした以上、自分のものではないと受け取らない。大岡越前守は1両足して、2両ずつ両人に渡し、三方1両損にして解決する。」
というお話です。
相続には譲り合いの精神、この「三方一両損」の考え方が大事なのではないでしょうか?
相続のためにまず行なうこと
まず 財産の調査、財産の棚卸しを行なっていただきます。
一体自分の家にはどのくらいの財産があるのか、
金額に換算したらいくらになるかを調べないと 次に進めません。
- 1.土 地
- 市町村役場から届く固定資産税の通知書が参考になります。1筆毎の利用状況(居宅敷地、駐車場、貸宅地、アパート敷地等)も必要です。
- 2.建 物
- 土地と同じく固定資産税の通知書が参考になります。利用状況の確認も必要です。
- 3.建築中の家屋
- 建築工事の費用を確認します。
- 4.営業用財産
- 個人事業を経営している場合は、青色決算書などが参考になります。
- 5.上場株式
- 証券会社などからの取引明細が参考になります。
- 6.自社株式
- 非上場の会社を経営されている場合は決算書などから株価等を算出します。
- 7.公社債、貸付信託、投資信託等
- 上場株式と同様に、証券会社などからの取引明細が参考になります。
- 8.現金・預貯金
- 通帳などが参考になります。過去の通帳も重要です。
- 9.書画、骨董、貴金属類、家庭用財産
- 10.貸付金、未収入金
- 金銭消費貸借契約書などが参考になります。
- 11.無形固定資産
- 特許権、著作権等の権利。
- 12.生命保険、年金・積立型損害保険
- 保険証券などが参考になります。
- 13.死亡に伴う退職給付金、退職慰労金等
- 会社から交付される支給明細などが参考になります。
- 14.ゴルフ会員権スポーツクラブ会員権等
- 会員証などが参考になります。
- 15.その他財産と思われるもの。
- 貸金庫などの確認も必要です。
- 16.債 務
- 銀行、信用金庫等の住宅ローン、その他の借入などです。
などなど…
次にその財産に対する思い入れについてひとつずつ洗い出して行ます。
今ある財産は一体誰が手に入れたか、誰が残してきたのか。
誰に残して行くのか。金銭価値以上のその物に含む
「心の価値」に目を向けることで、財産の棚卸しを行ないます。
そしてそれを次の世代に残して行くのです。
腹を割って話せる相談役を
相続の相談は、時には他人に見せたくない部分まで見せることも必要になります。
とても精神的に苦しい作業かもしれません。
だからこそただ業務や手続きとしての相続対策だけでなく、
腹を割って話していただける信頼関係づくりを大事にしたいと思っています。
私はあなたの抱える課題に真っ正面から向き合うことをお約束します。
また、司法書士や不動産鑑定士、土地家屋調査士などの士業の先生、不動産会社、建設会社などさまざまな専門家との連携を行い、ワンストップであなたの相続の問題に対応します。
ぜひお気軽にお問い合わせください。